IoT PBL 報告書
37-186243 機械工学専攻 鷲津研究室 M1 村山航
背景
コーヒー市場において2000年頃から始まったサードウェーブの流れというのは、高品質な豆を使って丁寧にハンドドリップされたコーヒーを楽しむというものでした。近年は次の流れ、フォースウェーブが押し寄せつつあります。それは個々の好みに合うスペシャリティコーヒーを嗜みたいという流れです。そこではもちろん、単一の豆で各自のお気に入りのコーヒーを見つけるという楽しみ方もあるでしょう。しかし、単一の豆はクセが強く、何かのパラメータにおいて好みを満たさないことが起こりがちです。世界中には膨大な種類の豆が存在することを考えると、フォースウェーブ時代において、ニーズに応えるベストのコーヒー豆に出会うのは非常に難しそうです。
「コーヒービーンズブレンダー」
そこで、本プロジェクトでは複数の豆を調合する「コーヒービーンズブレンダー」を製作し、好みのコーヒーブレンドを計算するアルゴリズム、さらには実際に豆を出力する機械の製作を行いました。この「コーヒービーンズブレンダー」によって、自分専用、または時間帯や気分に合ったブレンドコーヒーを簡単に楽しめる機会を生み、フォースウェーブ時代におけるニーズに応えようと考えました。
完成したもの
下の図に示すものが完成したコーヒービーンズブレンダーの試作品です。「酸味」「苦味」「コク」の強弱を5段階で、「風味」の種類を入力すると、特徴の異なるコーヒー豆を2〜3種選択し、分量を計算し20g(2人分)を出力します。選択元の豆には、ブレンドによく用いられる8種類をとりあえず今回は使いました。8種類の豆に対して、コーヒーショップに話をうかがったりテイスティングしたりすることで、酸味などの特性をあらかじめ設定しました。その中から、入力されたパラメータ通りのブレンドが出来上がるように豆を調合するアルゴリズムとなっています。また、3Dプリンターを用いて製作した機械には、豆が詰まらない工夫やステッピングモータを使った分量調整機構が組み込まれています。
まとめ
バリスタのブレンドを理論的に行うアルゴリズムが完成しました。しかし、現状の試作品におけるそれぞれのパラメータを入力する方法は、これからコーヒーを楽しみたいと考えている人にとっては難しい気がします。知識を持ち合わせていない人でも使いやすい入力方法に改良すること、また、入力から個人の好みの傾向を学習するような機能をつけることが今後の課題です。