自動「名刺」カメラ(堀内健太)

自動「名刺」カメラ

機械工学科3年 180234 堀内健太

1.概要

今回私がIoT演習で作成したのは自動名刺カメラというカメラ型のデバイスです.機能としてはカメラによる顔認証により撮影した顔の人物名をイヤホンを通して教えてくれるというものです.名前の登録にはAzureの文字認証機能を用いて名刺から名前部分を読み取り撮影した顔の画像と一緒に保存します.

2.作った経緯

作った理由としては昨年の夏に学科のプログラムである産業実習にて富山の研究所に実習に行った際にたくさんの人から名刺をもらったことでした.名刺はサイズ的にも管理しづらく,また名前と役職などしか書いていないため顔と一致しづらく二度目以降にあった人も「誰だっけ・・」となることが多かった経験から思いつきました.

3.仕組み

大まかな仕組みは上の図の通りです.使用した部品としては

・Raspberry Pi 3
・ウェブカメラ
・BlueToothイヤホン
・携帯用バッテリー
・タクトスイッチ
・ブレッドボード
・ジャンパーピン

となっています.ハード面はラズパイを入れているケースの中に携帯用バッテリー,ブレッドボードとタクトスイッチによる切り替え用のスイッチが一緒に入っており,USBコードによりウェブカメラが接続されています.イヤホンはBlueToothによりラズパイと接続しています.
ソフト面では,まず名前登録モードでは(タクトスイッチにより切り替えます)まず顔を撮影します.この画像をAzureのFaceAPIを用いて顔検出します.次に名刺の画像を撮影します.この画像をAzureのComputerVisionAPIを用いて名前部分だけを抜き出し保存します.名前だけを抜き出す基準としては明らかに日本語の名前ではないもの(英数字や記号など)が含まれていたり,ほかの要素である可能性が高い(会社,大学,教授などの文字列が含まれているなど)を排除したうえで一番大きさの大きい文字列としました(実際にそこそこの精度はありました).顔画像と名前のデータを結び付けてAzureのストレージに保存します.次に人物認証モードでは顔の撮影をします.撮影された画像から同様にAzureのFaceAPIを用いて顔検出しストレージ内の画像から最も一致する画像を探します.ある程度以上一致度があったならその画像に結びつけられた名前をその人としてイヤホンから音声で出力します.

5.感想

まず来年度以降この演習に参加する方に伝えたいことを書きたいと思います.ほとんど全員が言っていることですがとにかく時間はないです.演習の最終発表までに完成品を作らなければいけないわけではないですがある程度形になってはいるようにスケジュールを真剣に考えましょう.僕個人としてはソフト面に力を入れすぎてハード面がだいぶおざなりになってしまい想像していたものとはだいぶ違うものができてしまいました.また今回演習を体験して個人的に一番大事だと思ったのはなにを作るかを決めるところだと思いました.僕自身決めるまでに相当時間がかかってしまい,まただいぶ迷走もしてしまったため今回作ったものが本当に自分が作りたかったものかというと疑問符を付けざるを得ません.来年度以降参加する方にはぜひ自分が後悔しないように作るものを決めてほしいと思います.
今回の演習を通じてモノづくりがいかに大変であるか本当に身をもって体験しました.非常に貴重な体験であったと思います.このような機会を用意してくださりサポートしてくださった先生方には非常に感謝しています.この場を借りてお礼を申し上げたいと思います.ありがとうございました.