3190220 長谷川 雄大 (IoTで読書管理)

IoT演習 レポート 「IoTで読書管理」

機械工学科 03-190220

長谷川雄大

 

製作したもの

IoTで読書管理をするデバイス

 

背景

読書管理(読書計画・読書記録)は,手書き→コンピュータ→インターネット上→アプリ,というように発展してきた。その先として,IoTを使ったデバイスを考案した。IoTの特徴を生かして,本に直接取り付けられること,アラームに物理的なアプローチを使うことができることを軸とした。「積ん読の解消」をテーマとして,実際の製品としても使えるように製品の外見や体験のデザインにもこだわった。

 

製作物

写真のようなデバイスを製作した。本の背表紙に取り付けて使うことができ,その本が読まれたらそれを検知してサーバーにデータを送信する。また,本が一定期間読まれていなかったり,特定の時刻になったりすると,アラーム音とLEDライトで知らせる。本来は文庫本の背表紙でも取り付けられるサイズにしたかったが,最終的には2cm程度の厚みがある本につけられるサイズとなった。読書の記録はスマートフォン上で確認できるように考えていたが,これは実装できなかった。

技術

以下のように実装した。本が読まれているかどうかを傾きセンサで検知し,Wi-FiモジュールからAWSにデータを送信する。あるいは逆に,AWS上のデータからアラームが必要だと判断すると,データを受け取ったモジュールがスピーカとLEDを起動させる。AWSのIoT Coreは便利で,一度理解してしまえば簡単に実装することができた。外装は3Dプリンタで出力している。アプリケーションについては製作できなかったが,AWS上のデータをグラフ化して処理し,分かりやすくユーザに提示することを考えていた。一旦クラウド上でデータベースとして持っておけば,様々な形で利用可能ということでとても便利である。

製作の途上では,様々な基盤を用いてできることとできないことの調整に悩んだ。最終的に,Arduinoエディタで書き込み可能なWi-Fiモジュールを用いることで,実装が簡単になり,サイズも小さくすることができた。費用面でもこれが最適の方法だったのではないかと思う。

問題となったのは,バッテリーと小型化だった。独立した通信モジュールなので,電池を使うことになるが,なかなか小型軽量化との両立は難しく,妥協せざるを得なかった。最終的に単3電池を2本用いる形になったが,あまり長くは電池が持たないだろう。また,使いやすさのためには,Wi-Fiの設定が必要ないか,ほんのひと手間でできるくらいにしなければならない。これについては実現できず,事前にボードに書き込んだルータとしか通信できないようになっている。

 

 

所感

IoTデバイスの制作にあたっては,考えなければならない変数(機能,サイズ,重さ,バッテリ,デザインなど)が多く,思った以上に複雑だった。さまざまな要素を勘案しながら作っていくには,やはりプロトタイプをいくつも作っていくのが遠回りなようで近道である。通信面では新しく学ばなければいけないことも多く大変だったが,学びの多い演習となり,製作した甲斐があったと思う。