37-176239 崔 杋圭(チェ ビョムギュ)

背景(アイデア)目的要件

37-176239 崔 杋圭(チェ ビョムギュ)

近年VRやARのように映像やゲームをさらに立体的かつ忠実に楽しむための様々な方法が提案され、新しい機器が発表されています。従来のビデオゲームではプレイヤーがテレビ画面を見てそれに対して一方的にジョイスティックで操作をするだけでしたが、たとえばプレイステーションではジョイスティックの振動でフィードバックを与えたり、また任天堂のSwitchではデバイスを体の様々な部分に取り付けて感覚を拡張し、それによってプレイヤーの行動が変わるというような段階にまで進化しました。キャラクターはゲームの仮想的な空間において自分を代理する存在といえます。私はそのようなキャラクターがゲームの中の状況(たとえば戦場)から感じる感覚を現実のプレイヤー(人)があたかも自分の感覚かのように感じられればより臨場感のある体験をできると考え、そのための手法を探索しました。現実ではだれかが近づくと気配を感じますが、ゲームの中のキャラクターにも何か近づくとそのキャラクターが“感じる”気配を、足裏を通じてプレイヤーに触覚刺激として与えることができるデバイスを製作しました。

 

制作物概要(プロトタイプ)

ほとんどのゲームには、方向の情報をよく持たせて製作や録音された人の足音、自動車のエンジン音などが内在しています。プレイヤーが操作機(ジョイスティック,キーボード)を通して動作を進めるとキャラクターが感じる音がスピーカーを通じて出力されます。

デバイスは地面からある程度浮いている4分割されたボード(踏み台)の下面にアクチュエータが装着された形です。

ゲームからコンピューターに入力された音の信号を(サウンドカードを通じて)4チャンネルの音として出力します。出力された4チャンネルの信号はアナログに変換され、4つの振動アクチュエータにそれぞれ入力されます。アクチュエーターが信号に合わせて立体的な振動を生成すると、ボードを通して足の裏面に伝わり、足裏の触覚として感じられます。

ボードと人の足とが最も密着する部分にアクチュエーターを取り付け、振動を実際の感覚としてよく近くできるように工夫しました。

図1
図1
図2
図2

今後開発(見通し)

ゲームの中の状況を現実のプレイヤーが感じられるボードとして作動はしましたがリアルな感覚を与えるには足りない点が多かったです。小さいアクチュエーターなので出力が不足でありボードの上の同じ位置に足を置いていなければならず、長時間同じ姿勢で使おうとすると足に疲れがたまるという問題があります。また、ゲームの中の音には様々な音が混ざっており、人の気配に必要な音だけを分離してアクチュエーターに入力する必要があります。

そして現実の足音をコンクリートマイクと音楽制作ソフトを使って直接録音・編集し、ボードを通じて人の気配を再現しようとしたところ方向感(臨場感)は感じられましたが人の気配としてはもの足りない部分が多かったです。新しい録音システムの構築が必要になりそうです。

 

謝辞

IoTメディアラボラトリーのスタッフの方を始め、ラボ内で出会った方には私の製作物のために惜しみない助言と丁寧なご指導、さらには技術的な支援を賜りました。誠にありがとうございました。